呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
 
 …………?
 ラシェルが目を開けると、大きなシャンデリアが吊り下がった天井が見える。
 
 浴室にこんなシャンデリアなどあったかしら?

 頭が上手く回らない。
 いつの間にか寝てしまったのだと気付いて慌てて身体を起こすと、体を包み込むもの全てが柔らかい。

「ここは……ベッド?」

 ラシェルが座ったはずの長椅子は、ふかふかのベッドに変わっており、ワンピースまで着ている。それも、下着まできっちりと付けて。

「嘘でしょ……」

 椅子で休憩しながらエスティリオの帰りを待っていたら、いつの間にか眠ってしまったんだわ。
 とんでもない失態を犯してしまった。
 お風呂で火照った身体が、またさらに熱くなった気がする。
 ラシェルがどうしようかとベッドの上でオロオロしていると、水差しとグラスをトレーに乗せたエスティリオが、寝室に入ってきた。

「あっ、目が覚めた? 喉乾いているでしょ。今水を持ってきたんだ」
「魔塔主様、申し訳ございません。私いつの間にか眠ってしまったようで。度々のご無礼をお許し下さい」
「無礼だなんて思ってないし、許して欲しいって言うなら俺の方だよ」

 ベッドから出ようとするラシェルに、もう少し休んでと肩を押さえられた。
 
「着替えのことをすっかり忘れて出ていっちゃって。湯冷めしてない? 髪の毛は乾かしたんだけどさ」
「かっ……髪の毛を? 何から何までありがとうございました。あの、それで……この服は……」

 髪の毛まで乾かして貰っていただなんて。
 となると、この服はやはり……?

 モジモジとして口篭ると、エスティリオはしれっとした顔で言ってのけた。

「大丈夫、ちゃんと我慢して着替えさせたから。あの男たちみたいに変なことはしてないよ」

 大丈夫とは? 我慢というのは一体??

 新たな疑問が浮かび上がるが、今の返答からして、エスティリオが着替えさせてくれた事は間違いない。
 差し出されたグラスを受け取り、水を一気に飲み干した。それをエスティリオはゆったりと笑いながら眺めている。
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