呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「それにしてもエル、ランタンを持っているのになんでまた明かりをつけないで来たの。おかげで妙なやつが来たって勘違いしたよ」

 ラシェルこそ聞きたい。
 何故エスティリオが、明かりもつけずに小屋の中にいたのか。明かりがあれば、ラシェルだって中に誰かいることくらいは分かったのに。
 エスティリオが小屋にあったランタンの明かりをつけたのは、ラシェルだと確認した後だ。
 ここでもやはり追求出来ないラシェルは、聞かれた通り理由を答えた。

「持っていた魔晶石の魔力がなくなってしまったんです。予備を持っていれば良かったのですが……。ロウソクも高いのでなかなか手が出せなくて」

 予備の魔晶石を持つ金銭的余裕などない。
 ならば魔力が動力源のランタンではなくロウソクを使えば。となるのだが、誰もが持っている魔力を使って明かりを付ければ良いという中で、ロウソクにはあまり需要がない。ロウソクの方が返って高くつくくらいだ。

「あの……お給金が低いとか足らないとか、そういうことを言いたいのではありません。今の職に就いてからの給金はもうすぐで頂けますし、だからその……」

   
 お金が無いなどと告白するのはやはり、恥ずかしい。
 黙って聞いているエスティリオ。
 どんな顔をして、どんな気持ちでエルの話しを聞いているだろう?
 確かめるために顔を見る勇気は出ない。
< 69 / 133 >

この作品をシェア

pagetop