呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
「……ランタンに明かりを灯せる程でいいから、少しでも魔力があれば良かったのにって。こんな時には思ってしまいますね」
無いものは無い。
手に入れられないのなら、別の努力をするべきだ。
その方がずっと有益だから。
そう自分に言い聞かせても、こうして魔力がないが為に強いられる不便に直面すると、思わずにはいられない。
私にも魔力があったならと。
「エルに魔力がなくても問題ないよ」
ラシェルの告白に、エスティリオはあっけらかんとして言い放った。
「だって俺がずっと傍にいれば、魔力がなくても困らないでしょ?」
「――?!」
ぎょっとするエルに、エスティリオはいたずらっ子のように笑いながら付け加えた。
「って、流石に24時間365日ベッタリとはいかないか」
エスティリオは突然腰をかがめると、道に落ちていた石を拾い上げた。
ラシェルが今使っている魔晶石より二回り大きいくらいの石を握ると、また何かの呪文を詠唱している。
何をする気かしら?
ラシェルが見守る中、石は青白い光に包まれてしまった。
眩しくて目をぱちぱちと瞬かせていると、エスティリオがラシェルの手に、持っていた石を握らせた。
「これは……魔晶石、ですか?」
「そう」とエスティリオが頷く。