呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「ふぅ……。これは早速、図書館に行ってこないとね」

 ナタリーの言う通り、恋愛小説など読んだことはない。思いつきで適当なお話しを考える自信はないので、実際に小説を読んだ方が良さそうだ。

 そうして後日、時間を見つけてやって来たのは魔塔領内にある図書館。魔塔すぐそばの街中にあり、無料で解放されているので誰でも自由に出入り出来る。
 ここに娯楽小説があるのか不安だったが、司書の人に聞くと案内してくれた。

「こちらが小説のコーナーです」
「ありがとうございます。あの……主人公が片思いをするストーリーの小説なんて、ご存知無いですよね?」

 案内してくれた司書が女性だった事もあり恥ずかしさを堪えて聞くと、女性は顔を輝かせて次々と本を持って来てくれた。

「最近入ってきたので一番いいのはこれですね。分厚いのでしり込みしてしまいますが、読みやすい文体なので思いの外サラッと読めます。こちらの本はもう何十年も前に書かれたものですが、今でも色褪せることなくキュンっときますよ。ドロドロしたのがお好きでしたら断然こちら! 既婚男性に恋をしてしまうお話しですね。それから……」

 延々と続く本紹介を聞いた後でお礼を言うと、女性は嬉しそうにしている。

「少し読んでみて、どれを借りるか決めてみます」
「ええ、是非そうしてください。一度に借りられるのは2冊までですので」
「分かりました」
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