呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

 あまり長すぎず、すぐに読み切れそうなのが良いわね。
 不倫ものは遠慮して脇に寄せて、薄目の本から手に取った。

 かねてから想いを寄せる男性に口付けされると、令嬢にかけられた呪いが解ける……ね。

 パラパラと捲ってざっと話しを読み終えたラシェルは、背表紙をそっと閉じた。

 エスティリオにキスしてもらう……。

 そんなシーンが頭にぼんやりと浮かんできたラシェルは、ハッと我に返って頭を振った。

 何をバカなことを考えているのかしら。
 口付けで呪いが解けるなんて、そんなことある訳ないじゃない。
 でも……。とラシェルはもう一度本に目を落とす。 
 呪いを解く方法を、きちんと調べてみたことがなかった。アカデミーでは魔法を使う授業は取っていなかったし、そもそも誰かに呪いをかけること自体禁止されている。
 呪術に関する本は、当たり前だが全く出回っていない。
 そういう意味では皇帝は禁忌を犯した訳だが、正体がバレたら死ぬ呪いにかけられているラシェルが告発出来るはずも無く。

 借りようと思う本を2冊だけ残し、あとは本棚へと戻したラシェルは図書館の中を歩き回ってみた。

 歴史、地理、生物……魔法薬に関する棚はここね。

 蠱毒に関して書かれている本はないかと探し、手当り次第に本を捲る。

 蠱毒:魔毒虫を相手に取り込ませて呪う方法。またその魔法薬のこと。

 どの本をみても、当たり障りのないことしか書かれていない。当然ね。
< 76 / 133 >

この作品をシェア

pagetop