呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
魔法に関する本がどこよりも集められているこの魔塔図書館で見つからないのだから、本当に無いのだろう。
あの蠱毒を作った魔道士がどうやって作成方法を知ったのかは分からないが、ラシェルには知らない世界があることも、またよく知っている。
呪いを解く方法に詳しいであろう高位の魔道士に聞くのが一番良いが、あいにく、魔道士でもなければ下っ端官吏にしか過ぎないラシェルには、気軽に聞ける知り合いはいない。
諦めて本を借りる手続きをしようとカウンターに行くと、先程の女性が対応してくれた。
署名し終えて顔を上げると、奥にあるドアにふと目が入る。
「あちらの部屋は資料室か何かですか?」
重々しい雰囲気を醸し出しているので気になり聞いてみると、女性は「いえ」と首を振った。
「あそこは禁書の置かれた部屋で、入るには高位の魔道士様の許可が必要となっております」
「禁書……」
「無理に入ろうとすると大変な事になるので気を付けて下さいね。立ち入れないよう強力な魔法がかけられているので」
「はい、ありがとうございました」
禁書というのはやはり、おいそれと知ってはならないような事が書かれた本よね。
本を受け取ったラシェルはもう一度、禁書があると言う部屋のドアを見て図書館を出た。