呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「エルの目的も聞かずに許可を出そうとするなんて、何かあったらどうするのよねぇ?」

 喉元を撫でてやると、ゴロゴロと喉を鳴らしてお腹をみせてきた。

「魔塔主様もあなたも、ちょっと無防備過ぎよ」

 頬を緩めながら猫と戯れていると、ナタリーが「やだなぁ」と言って呆れている。

「動物相手にお喋りなんて暗いよぉ?」
「ただ話を聞いて欲しい時の相手にはピッタリだから、ついね」

 返事を求めているわけではない時、黙って話を聞き続けてくれるので話し相手に調度良い。それにどんな内容を喋っても理解されないという安心感がある。皇宮では、母以外にお喋り相手がいなかったというのもあるかもしれない。

「エルって猫派なんだ?」
「ネコハ?」
「うん、猫派と犬派。猫の方が好きなの?」
「そえねぇ、そういう選択肢でいったら犬派かしら。いつでも全力で甘えて、頼ってきてくれるのが嬉しいもの」

 気まぐれに甘えられるよりも、いつでも自分を受け入れてくれる方がいい。無条件に好きと言われて求められたい。
 そんな願望を持つのも、皇宮での生い立ちがあったからかもしれない。

「さてと、猫ちゃんに癒されたから、しっかり働かなきゃね」

 パンパンとスカートに付いた土ぼこりを払うと、ラシェルは研究所へと戻って行った。

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