四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
「……なんなの!?こいつ……倒せないんだけど!!」
風を起こして怪異を後方へと吹き飛ばし、白虎は叫ぶ。
朱雀が異世界から帰還してから数日後、朱雀たちは大きな怪異と対峙していた。
耐久力の違いはあれど、術が直撃すればするほど弱り、最終的には空気に溶け込むようにして消えていく怪異。
今回朱雀たちが対峙している怪異は、術が直撃しているにも関わらず、弱る素振りを見せず、朱雀が剣で斬り付けてもすぐに傷は塞がってしまう。
「……これ、もしかして……怪異じゃないのかもしれない」
(……怪異じゃ、ない?そういえば、この特徴……どこかで…………まさか)
すぐに塞がってしまう傷を見て、朱雀はハッとした。異世界にいた時に、いた妖と似たような特徴なのである。
「……」
トンッ、と地面を蹴って朱雀は怪異に向かって走り出した。
(……どこだ。あの怪異の、弱点は……)
異世界にいた数日間、朱雀は妖が出る度に戦場へと連れていかれていた。そこでの記憶をもとに、朱雀は“核”のある可能性のある部位を狙って攻撃する。