四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
(……そこか)

朱雀の振るった剣がある部位を掠め、怪異は苦しげな様子を見せた。

「やっぱりな……さようなら。妖さん」

朱雀は、怪異――妖が怯んだ隙を狙って、右膝にある核へと思い切り剣を振り下ろす。

妖は悲鳴を上げて、消えていった。

「……すごい……」

玄武の近くで四神の戦いをサポートしていた颯真が、感嘆の声を上げる。

「……この怪異、妖だ」

剣を握ったまま、朱雀は皆の方を向きながら言った。

「……妖って、朱雀が異世界にいた時にいたとされる……」

玄武の言葉に、朱雀は大きく頷いた。



朱雀が異世界へ戻ってから数日後、ギルベルトは部下からのとある報告が立て続けに入り、頭を悩ませていた。

「イヅナ、レオナード、ヴィンセント、ツヤ。もう一度、あの森に調査に行くよ」

報告書から顔を上げ、ギルベルトが呼び出した4人を見つめる。

「アカネとやらが逃げてから、倒せない妖の報告が出始めた。チェルシーやエイモンでも倒せないそうだ」

ギルベルトの言葉に、ツヤは「あの二人でさえもか?」と確認するように言った。

「あぁ……やはり、あいつは妖使いだな。早く捕まえないと」

ギルベルトの呟きに、ヴィンセントは「……本当に、アカネは妖使いなんでしょうか?」と問いかける。
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