四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
「……僕には、アカネが妖使いだとは思えません。僕が見張り番の時、アカネは妖について聞いてきました。その時の表情や雰囲気から、本当に妖について分かっていないようでした」

「……じゃあ、どうして、アカネは角を隠した状態でも結構強いツヤの攻撃を避けることが出来たんだい?……捕まえるにしても、アカネの仲間とやらの不思議な力が厄介だね」

ギルベルトは、颯真が朱雀を迎えに来た時のことを思い出した。突如として手を弾かれ、透明な壁で拒まれ、さらには目の前で突然消えた。

「……妖使いのことは、後で考えることにして……とりあえずは、調査に行こうか」

ギルベルトはそう言うと、歩き始めた。



「……本当に、こいつ倒せないんだな!」

森の中にある、開けた場所。アレス騎士団が、朱雀と初めて会った場所。

そこには、ギルベルトが言っていた倒せない大きな妖がおり、ツヤが爪で攻撃をしても倒すことが出来ず、森に調査に来たギルベルト、ヴィンセント、レオナード、イヅナ、ツヤの5人は苦戦を強いられていた。

「この妖、核がねぇ!!」

そのことにツヤはいち早く気付き、ツヤは叫ぶように言う。

「核が、ない……?」

弓に矢をつがえていたヴィンセントは、ツヤの言葉を繰り返した。
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