四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
「…………考えていても、仕方ない。とりあえず、連絡のあった妖使いを――」

青龍がそう言いかけた時だった。ドォン、と音がし、その場にいた皆は音がした方を同時に見る。

アレス騎士団の拠点敷地内の一部から煙が上がっているのが見え、白虎は走り出した。

「……僕たちも追いかけよう」

青龍が声をかけると、朱雀、玄武、颯真は同時に頷くと白虎の後を追うように走り出す。イヅナもまた、走り出した。

「……やぁ、こんにちは。アレス騎士団の皆さん」

白虎は音がした場所に着き、足を止める。そこにいたのは、ギルベルト、ツヤ、レオナード、ヴィンセント、そして黒いローブを着た男性。

ローブに付いたフードを深く被っており、顔までは分からない。

男性の隣には、黒く大きな狼が居る。狼から放たれる独特な気配に、白虎はすぐにそれが怪異なのだと気付く。

「何者だ、貴様は」

ツヤが男性を睨むと、男性は「おぉ、怖い怖い……俺は、クロ……君たちが言う、“妖使い”という奴だろうか」と笑いながら答えた。

「……妖使い……ということは、ずっと君がことを起こしていた、ということか?」

ギルベルトの言葉に、男性――クロは、何も答えずに笑う。ツヤはそれを肯定と見なし、すぐにクロに飛びかかった。

そんなツヤの目の前に現れたのは巨大な怪異で、ツヤは舌打ちをするとそのまま怪異を切り裂こうとする。
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