四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
体術に長けた白虎に、魔術に長けた青龍。そこに体術も魔術も得意な、オールマイティアタッカーの朱雀とサポートの玄武が合わされば、皆が皆の弱点を補い合えるバランスの良い最高のチームの出来上がりである。

そのバランスを崩さないためには、朱雀が術を使えるようになることが必要である。

「……さて、アレス騎士団の皆さん。怪異は、僕らで食い止めます。その代わり、妖使いと妖の方はそちらでお願いします」

玄武がそう言うと、ギルベルトは「分かりました。怪異の方は、そちらでお願いします」と頷いた。玄武を見るギルベルトの目には、信頼が宿っている。

協力することになり、約1週間。

ギルベルトと玄武は日々怪異や妖について話し合い、白虎はイヅナ、レオナード、ヴィンセントとともに訓練に励み、青龍は玄武とギルベルトの手伝いを。

日を重ねる度に、青龍たちとアレス騎士団との距離は縮まりつつあった。

敵対をした、颯真と朱雀は除いて。

ギルベルトは、中でも特に玄武に信頼を寄せているのだ。

(……さて、どうしようかな)

玄武はジッと怪異を見つめ、頭を回転させる。

先代玄武の役目を引き継ぎ、もう数百年も怪異の研究をし続けている玄武の頭の中は、一瞬にして今まで研究した怪異の情報で埋め尽くされ、慣れたかのように高速で作戦を立てていく。
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