四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
妖は次の攻撃の準備をしており、ツヤは「させるかよ!」と鬼の姿になると一瞬で妖に近づき、妖を蹴り飛ばす。

そして、ツヤはイヅナ、レオナードに、ギルベルトはこっそりとヴィンセントに指示を飛ばした。

(……気配から人間じゃないことは分かっていたけど、あの子……鬼か……)

「君は、大人しく捕まっているんだよ」

妖を見つめていた朱雀の背後から現れたギルベルトとヴィンセントの手により、身動きを封じられる。

(……あの鬼の子から、逃げ切れるとは思えない……ここは、大人しくしておこう)

朱雀は抵抗する気になれず、大人しく目の前の戦闘を観戦することにした。

「レオナード!イヅナ!核は、膝にある!膝を狙え!」

「……核?」

ツヤの「核」という言葉に、首を傾げる。

(……妖に、妖使いに、核に……僕の知らない言葉が出てくるな)

「おりぁぁああぁ!!」

レオナードは、そう叫びながら持っていた戦鎌を薙ぎ払い、妖の核を破壊して、妖を倒した。

妖が倒されたことを確認したツヤは、イヅナとレオナードとともにギルベルトたちのもとに近づく。

「じゃあ、話はゆっくりと屋敷で聞こうか」

ギルベルトは、捕まえたままの朱雀にニコリと笑いかけた。
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