青空の下で君に恋をする
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無事入学式(ぶじにゅうがくしき)を終(お)え、自分(じぶん)の席(せき)についたとき、先生《せんせい》が教室(きょうしつ)に入(はい)ってきた。

「はい、HR(ホームルーム)始(はじ)めまーす。まずは自己紹介(じこしょうかい)から!この一年A組(いちねんエーぐみ)の担任(たんにん)になりました。石井楓(いしいかえで)です。みんなよろしくね!」

石井先生(いしいせんせい)はそう言(い)って微笑(ほほえ)んだ。

良(よ)かった。優(やさ)しそうな女(おんな)の先生(せんせい)だ。

ほっとしたのも束(つか)の間(ま)…。

「それでは皆(みな)さんも順番(じゅんばん)に自己紹介(じこしょうかい)をしてもらいたいと思(おも)います!」

教室(きょうしつ)が一瞬(いっしゅん)しん、となった。

その後(ご)、「自己紹介(じこしょうかい)とかめんどくせー」「何話(なにはな)そうかなぁ」とざわつき始(はじ)める。

私(わたし)コミュ障(しょう)でもあるから、自己紹介(じこしょうかい)とかが一番苦手(いちばんにがて)なんだけど……

叫(さけ)びたい気持(きも)ちをぐっと飲(の)み込(こ)んで、ぐるぐると自己紹介(じこしょうかい)の内容(ないよう)を考(かんが)え始(はじ)めた。

「はいはい、静(しず)かに~。じゃあ端(はし)の席(せき)の人(ひと)から自己紹介(じこしょうかい)してもらおうかな!」

みんながどんどん自己紹介(じこしょうかい)をしていく。

と、とりあえず春奈(はるな)の自己紹介(じこしょうかい)と同(おな)じ感(かん)じで話(はな)そ…。

私(わたし)と違(ちが)って明(あか)るくて気(き)さくだから、参考(さんこう)になるか分(わ)かんないけど…。

あ、次春奈(つぎはるな)の番(ばん)だ!

「小林春奈(こばやしはるな)です。ぜひクラスのみんなと友達(ともだち)になれたらいいなって思(おも)います!よろしくお願(ねが)いします!」

は、春奈(はるな)らしい…。クラスみんなと友達(ともだち)って…。

私(わたし)にはそんなこと言(い)えないよ…。全然参考(ぜんぜんさんこう)にならなかった…。

そう思(おも)っている間(あいだ)に私(わたし)の番(ばん)が来(き)た。

ぅ…。なんか話(はな)さなきゃ……。

ガタッと席(せき)を立(た)つ。

「え、えっと…。き、如月冬歌(きさらぎふゆか)…です。」

シーーーーーーーーーーン……。

うわーーん!だから自己紹介嫌(じこしょうかいいや)なんだってーーー!(泣(なき))

私(わたし)は泣(な)きそうになりながら静(しず)かに椅子(いす)に座(すわ)る。

『え?今(いま)なんて言(い)った?』 『あんまり聞(き)こえなかった…』

やばい…。めっちゃひそひそ言(い)われてる…。

その時(とき)、微妙(びみょう)な空気(くうき)を変(か)えるような明(あか)るい声(こえ)が聞(き)こえてきた。

「はいは~い!みんな注目(ちゅうもく)!」

みんなは驚(おどろ)いて声(こえ)を上(あ)げた子(こ)の方(ほう)を見(み)る。

私も思(おも)わず振(ふ)り返(かえ)った。

「俺(おれ)、一ノ瀬夏樹(いちのせなつき)でーす!みんなよろしくな!」

一瞬(いっしゅん)の静寂(せいじゃく)のあと、たちまち拍手(はくしゅ)が起(お)こった。

よ、良(よ)かった…。

一ノ瀬(いちのせ)くんのおかげで、とりあえずこの場(ば)は丸(まる)く収(おさ)まってほっとした。

その後(ご)も自己紹介(じこしょうかい)が続(つづ)き、新品(しんぴん)の教科書(きょうかしょ)が配(くば)られて一日(いちにち)が終了(しゅうりょう)した。

明後日(あさって)から授業(じゅぎょう)が始まる。

ドキドキするな〜…。
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