こちら元町診療所
body temperature
「浜ちゃん、受付1人で任せても
大丈夫そう?」
『今はなんとか。無理だったらヘルプ
頼みます。』
あれから一月、今までの日常が嘘かの
ような忙しさに平日は追われ、8時近くから列をなす行列の対応と、12時までの診療時間を大幅に超える患者数に
全員が疲労を蓄積していた
連続で会計の算定をし過ぎて
キーボードを押す手が悲鳴をあげてる
金銭授受は午前中のみ銀行の方がいるからまだ良しとして、午後は浜ちゃんと
2人でこなさないといけない。
課長と河野くんも午前中は病院の
事務仕事をする暇もなく受付にヘルプで
入ってくれ、2人も午後は溜まった仕事
に追われていた。
『はぁ‥‥‥終わった‥‥‥。』
「浜ちゃんお疲れ様。遅くなって
ごめんね。お昼休憩行って来て?」
既に13時前を迎えようとしていた
医事課で、デスクに突っ伏す彼女を
宥め、課長達と食堂に行ってもらった。
それにしても‥‥‥
この状況‥‥本当に異常だ‥‥‥。
叶先生が来てからというもの、新規の
患者が絶えない‥‥‥。
殆どが前の病院からの患者さんだが、
広報に顔写真付きで載ってしまった
のが悪かった。
私達も大変だけど、看護師チームを
はじめ、検査技師、ケアスタッフ、
リハビリなど、すべての社員が同じ
気持ちなはず。
それでも1番大変なのはやっぱり
診察する叶先生なんだけどね‥‥
目の前に溜まった未入力の書類の山に
流石の私でも目眩がしてしまう。
『お疲れ様。靖子1人だけ?』
ドキッ
なんだろうね‥‥この人の声は。
いつも落ち着いてて、少しだけ低い
その声に心臓がゾワゾワっとするのは
私だけだろうか?
「‥お疲れ様です。みんなは今、食堂に
行ってますよ。お急ぎな用事です?」
150名の患者を診察し終わった後とは
思えない爽やかな笑顔に、疲れ切った
私とは対照的過ぎてしんどい。
『用事なんてないよ?靖子の顔を
見に来ただけだから。』
はぁ!?
悔しいけど白衣が良くお似合いの彼が
隣のデスクチェアに腰掛けると、
長い足をそれはまた美しく組んだ。
「見ても得する事はないですよ?
先生も早く食堂に行って下さい。
食いっぱぐれますよ?」
疲れ過ぎていて、応対する気力も
沸かない私は、先生を無視してお弁当
箱の蓋を開けた。
大丈夫そう?」
『今はなんとか。無理だったらヘルプ
頼みます。』
あれから一月、今までの日常が嘘かの
ような忙しさに平日は追われ、8時近くから列をなす行列の対応と、12時までの診療時間を大幅に超える患者数に
全員が疲労を蓄積していた
連続で会計の算定をし過ぎて
キーボードを押す手が悲鳴をあげてる
金銭授受は午前中のみ銀行の方がいるからまだ良しとして、午後は浜ちゃんと
2人でこなさないといけない。
課長と河野くんも午前中は病院の
事務仕事をする暇もなく受付にヘルプで
入ってくれ、2人も午後は溜まった仕事
に追われていた。
『はぁ‥‥‥終わった‥‥‥。』
「浜ちゃんお疲れ様。遅くなって
ごめんね。お昼休憩行って来て?」
既に13時前を迎えようとしていた
医事課で、デスクに突っ伏す彼女を
宥め、課長達と食堂に行ってもらった。
それにしても‥‥‥
この状況‥‥本当に異常だ‥‥‥。
叶先生が来てからというもの、新規の
患者が絶えない‥‥‥。
殆どが前の病院からの患者さんだが、
広報に顔写真付きで載ってしまった
のが悪かった。
私達も大変だけど、看護師チームを
はじめ、検査技師、ケアスタッフ、
リハビリなど、すべての社員が同じ
気持ちなはず。
それでも1番大変なのはやっぱり
診察する叶先生なんだけどね‥‥
目の前に溜まった未入力の書類の山に
流石の私でも目眩がしてしまう。
『お疲れ様。靖子1人だけ?』
ドキッ
なんだろうね‥‥この人の声は。
いつも落ち着いてて、少しだけ低い
その声に心臓がゾワゾワっとするのは
私だけだろうか?
「‥お疲れ様です。みんなは今、食堂に
行ってますよ。お急ぎな用事です?」
150名の患者を診察し終わった後とは
思えない爽やかな笑顔に、疲れ切った
私とは対照的過ぎてしんどい。
『用事なんてないよ?靖子の顔を
見に来ただけだから。』
はぁ!?
悔しいけど白衣が良くお似合いの彼が
隣のデスクチェアに腰掛けると、
長い足をそれはまた美しく組んだ。
「見ても得する事はないですよ?
先生も早く食堂に行って下さい。
食いっぱぐれますよ?」
疲れ過ぎていて、応対する気力も
沸かない私は、先生を無視してお弁当
箱の蓋を開けた。