こちら元町診療所
『それ‥手作り?』
まだそこから動かないのか?
午後診療が始まるまでに食事して、
少しでも休めばいいのに‥‥
「先生のお家でいただいたような
素敵な食事じゃないので、見ないで
ください。」
お弁当箱を手に取り、椅子のキャスター
をくるりと回転させ背を向ける
視線が気になってゆっくり食べれた
もんじゃない‥‥。
作り置きしたおかずが殆どで、見栄えも
いいとはいえないお弁当を見られたくないしね。
『そういうことされると逆効果って
知ってた?』
えっ?
もう一口卵焼きを食べようとした私は、
キャスターをクルリと回転させられた
途端に、目の前に現れた綺麗な顔に
卵焼きを食べられ固まった
ち‥‥近い!!
彫刻のような美しい顔立ちで
似合わない庶民の味付けをモグモグと
噛む姿が思いの外可愛くて顔が赤らむ
「ちょっと‥‥何して‥‥」
ドクン
息がかかるほどの距離感に圧倒され、
心臓がどうしたってドクドクと高鳴る
ペロリと舌で唇を舐める仕草にさえ、
色気が感じられ、満足そうに食べ終えた
叶先生が目の前でフッと笑った
『可愛いな。』
「ッ!‥ギャァ!!も、もう本当に
揶揄うの辞めてください!!
し、食堂!!閉まっちゃいますから
早く行って下さい!!」
ドンっと胸元を押すと同時に医事課に
鳴り響いた電話の着信音に、クスクス
笑う相手を他所に受話器を取った。
「ッ‥こんにちは。こちら元町診療所
です。ヒャ!!」
去り際に冷たく長い指が私の頬を掠め
た為、変な声が出てしまったじゃないか!!
ギロっと睨みつけると、先生は
また満足そうにニコニコと笑いながら
手を振り医事課を出て行った。
仕事中なのに何を考えてるんだ!!
いくら休憩時間とはいえ度が過ぎる!!
はぁ‥‥なんで私ばっかり‥‥‥‥
先程の食べている唇を思い出すと、
先日のキスが脳裏に蘇り、慌てて頭を勢いよく横に振りご飯をかけこんだ。
「お手洗い行ってくる‥‥」
溜まった疲れと残業続きからの寝不足で
調子が悪い日が続いてる‥‥。
今度の休みはしっかり寝て、ちゃんと
栄養あるもの食べないとな‥‥
まだそこから動かないのか?
午後診療が始まるまでに食事して、
少しでも休めばいいのに‥‥
「先生のお家でいただいたような
素敵な食事じゃないので、見ないで
ください。」
お弁当箱を手に取り、椅子のキャスター
をくるりと回転させ背を向ける
視線が気になってゆっくり食べれた
もんじゃない‥‥。
作り置きしたおかずが殆どで、見栄えも
いいとはいえないお弁当を見られたくないしね。
『そういうことされると逆効果って
知ってた?』
えっ?
もう一口卵焼きを食べようとした私は、
キャスターをクルリと回転させられた
途端に、目の前に現れた綺麗な顔に
卵焼きを食べられ固まった
ち‥‥近い!!
彫刻のような美しい顔立ちで
似合わない庶民の味付けをモグモグと
噛む姿が思いの外可愛くて顔が赤らむ
「ちょっと‥‥何して‥‥」
ドクン
息がかかるほどの距離感に圧倒され、
心臓がどうしたってドクドクと高鳴る
ペロリと舌で唇を舐める仕草にさえ、
色気が感じられ、満足そうに食べ終えた
叶先生が目の前でフッと笑った
『可愛いな。』
「ッ!‥ギャァ!!も、もう本当に
揶揄うの辞めてください!!
し、食堂!!閉まっちゃいますから
早く行って下さい!!」
ドンっと胸元を押すと同時に医事課に
鳴り響いた電話の着信音に、クスクス
笑う相手を他所に受話器を取った。
「ッ‥こんにちは。こちら元町診療所
です。ヒャ!!」
去り際に冷たく長い指が私の頬を掠め
た為、変な声が出てしまったじゃないか!!
ギロっと睨みつけると、先生は
また満足そうにニコニコと笑いながら
手を振り医事課を出て行った。
仕事中なのに何を考えてるんだ!!
いくら休憩時間とはいえ度が過ぎる!!
はぁ‥‥なんで私ばっかり‥‥‥‥
先程の食べている唇を思い出すと、
先日のキスが脳裏に蘇り、慌てて頭を勢いよく横に振りご飯をかけこんだ。
「お手洗い行ってくる‥‥」
溜まった疲れと残業続きからの寝不足で
調子が悪い日が続いてる‥‥。
今度の休みはしっかり寝て、ちゃんと
栄養あるもの食べないとな‥‥