こちら元町診療所
全く‥‥誰のせいでこんな顔に
なっていると思ってるんだ‥‥
もう無視してお昼ご飯食べよう‥‥
午後からだってカルテ整理と溜まった
事務仕事をこなさないといけないん
だから。
『おかしいな‥‥他の人達はみんね
俺が何もしなくても笑うのに。』
おいおい‥‥真剣に悩む顔をするのは
辞めてもらえる?
そりゃ‥こんなカッコいい人なら
そこにいるだけでもみんな見惚れる
から笑顔にもなるよ?
天然なのか真剣に悩む表情に顔が
引き攣りながらも、お弁当の包みを
開けると丁寧にいただきますをした
『ね‥‥‥それ手作り?』
「‥‥そうですけど‥ちょっと!
近くで見ないでもらえません?」
『フッ‥なんで?美味しそうだけど?
俺もお腹空いてるんだけどな。』
「だったらここから今すぐ出て食堂
行ったらいいじゃないですか?」
『ダメ。それが食べたい。』
「‥‥‥‥」
どう考えてもこんな質素なお弁当より、
食堂のバランスが考えられた食事の方が
美味しいと思うのに、嫌味にさえ
聞こえて無視した。
大体‥用事がないならさっさと
ここからいなくなって欲しい‥‥
看護師さん達に変な誤解をされたら
たまったものじゃないからね。
『靖子』
ドクン
キャスター付きの椅子を動かしグイっと距離を縮めて来た先生に、思わずドキッ
としてしまうと、目を閉じて口を開ける
仕草をする彼の色気に頬が赤くなった
どういう意味?
食べさせろってこと?
そんなことよりも、肩が触れるほどの
距離感にこれ以上耐えられない‥‥
「ッ‥‥食べたらすぐにどっか
行ってくださいね!!」
卵焼きを箸で摘むと、乱暴気味に、
開けられた薄い唇に押し込んだ。
不味くたって、口に合わなくたって
知らないんだから‥‥。
高給取りの先生なら、もっと美味しい
ものを普段から食べてるはずだから、
お腹壊しても知らないんだから!
モグモグと暫く咀嚼した後飲み込むと、
うっすらと瞳が開けられ、見たことない
くらい優しい笑顔を向けて来た。
『‥‥美味し。』
「はぁ‥それは良かったですね。
ほら!約束なのでもう向こうに
行ってくださいってば!!」
お行儀悪く足で先生の椅子を遠ざけよう
とするものの、あろうことかもう一度
目を閉じて口を開けて来たではないか。
「‥先生いい加減にしないと
怒りますよ?」
恋人でもないのに、アーンして
食べさせるなんて私には受け入れ難い。
なっていると思ってるんだ‥‥
もう無視してお昼ご飯食べよう‥‥
午後からだってカルテ整理と溜まった
事務仕事をこなさないといけないん
だから。
『おかしいな‥‥他の人達はみんね
俺が何もしなくても笑うのに。』
おいおい‥‥真剣に悩む顔をするのは
辞めてもらえる?
そりゃ‥こんなカッコいい人なら
そこにいるだけでもみんな見惚れる
から笑顔にもなるよ?
天然なのか真剣に悩む表情に顔が
引き攣りながらも、お弁当の包みを
開けると丁寧にいただきますをした
『ね‥‥‥それ手作り?』
「‥‥そうですけど‥ちょっと!
近くで見ないでもらえません?」
『フッ‥なんで?美味しそうだけど?
俺もお腹空いてるんだけどな。』
「だったらここから今すぐ出て食堂
行ったらいいじゃないですか?」
『ダメ。それが食べたい。』
「‥‥‥‥」
どう考えてもこんな質素なお弁当より、
食堂のバランスが考えられた食事の方が
美味しいと思うのに、嫌味にさえ
聞こえて無視した。
大体‥用事がないならさっさと
ここからいなくなって欲しい‥‥
看護師さん達に変な誤解をされたら
たまったものじゃないからね。
『靖子』
ドクン
キャスター付きの椅子を動かしグイっと距離を縮めて来た先生に、思わずドキッ
としてしまうと、目を閉じて口を開ける
仕草をする彼の色気に頬が赤くなった
どういう意味?
食べさせろってこと?
そんなことよりも、肩が触れるほどの
距離感にこれ以上耐えられない‥‥
「ッ‥‥食べたらすぐにどっか
行ってくださいね!!」
卵焼きを箸で摘むと、乱暴気味に、
開けられた薄い唇に押し込んだ。
不味くたって、口に合わなくたって
知らないんだから‥‥。
高給取りの先生なら、もっと美味しい
ものを普段から食べてるはずだから、
お腹壊しても知らないんだから!
モグモグと暫く咀嚼した後飲み込むと、
うっすらと瞳が開けられ、見たことない
くらい優しい笑顔を向けて来た。
『‥‥美味し。』
「はぁ‥それは良かったですね。
ほら!約束なのでもう向こうに
行ってくださいってば!!」
お行儀悪く足で先生の椅子を遠ざけよう
とするものの、あろうことかもう一度
目を閉じて口を開けて来たではないか。
「‥先生いい加減にしないと
怒りますよ?」
恋人でもないのに、アーンして
食べさせるなんて私には受け入れ難い。