それでも、あなたを愛してる。【終】



「冬が来たよ、悠生(ユキ)。あなたのいない冬が、また来たよ……」

幼かった少女は、好きな人を失った。
ある日突然失って、彼女はこの土地を去った。

「私、頑張るからね」

もう既にいっぱい頑張っている彼女を、甘やかせたのは彼だけだったと聞いた。

─そんな彼は、もう居ない。
……死んでしまったから。










…………自分は、耐えられるだろうか。


もしもの時が来たとして、


自分は。




考えたって仕方がないことだとわかっていても、最悪のことも考えておかなければならないくらいの時が経っていて、契は何も言えずに、泣きじゃくる彩蝶を抱き締めた。


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