あやかしと四神〜闇を祓って〜
「ここからは従業員専用エリアです。お客様はお戻りください」

「え?いいの?人間がいたから捕まえてきたんだけど。食べちゃっていいなら戻るよ」

ギルベルトの言葉に悪魔は捕らえられた朱雀とイヅナを値踏みするかのように見つめ、「船長たちを呼んできます。少々お待ちを」と言って従業員専用エリアの奥へと入って行く。数分もしないうちにドアが開いた。

「どうぞこちらへ。船長たちがお待ちです」

そのまま朱雀たちは従業員専用エリアの奥へと歩かされた。奥には大きな扉があり、そのドアを悪魔が開ける。ゴシック調のインテリアで統一された部屋だった。部屋の中央のソファには、お揃いの衣装を着た悪魔が座っている。

「鬼の皆様、悪魔のクルージングへようこそいらっしゃいました。私はこの船の船長のウォードと申します」

茶髪に緑の目をした悪魔がニコリと笑いかける。その笑みを見た朱雀の体にゾッと寒気が走った。しかし、悪魔たちの自己紹介は続く。

「俺はモーゼズです」

青髪に青い目をした悪魔が言う。続いて赤髪の悪魔が言った。

「俺はアダム。よろしく〜」

最後に金髪の悪魔が名乗った。

「スタンです。以後お見知り置きを」
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