【番外編】過保護な医者に、今度は未来まで守られてます
ベッドの上、すでに大雅の腕にすっぽりと包まれている雪乃。
いつもの優しい時間が静かに流れていた。

「かわいいね」
大雅が優しく雪乃の頭を撫でる。
時折、そっとキスを落とし、ぎゅーっと抱きしめるその力は、いつもよりずっと強い。

今までは心臓の傷を気にして、ふわっとしか抱きしめられなかったけど、
滝川から「傷は完璧に治っている」と聞いた大雅は、気持ちのままに力いっぱい抱きしめていた。

雪乃は苦しくて小さく息を呑むけど、嬉しそうに目を細める。

「今までは、胸の傷が痛んだら困るから我慢してただけ。今は好きなだけ可愛がれるでしょ?ぎゅーも、苦しくなるくらいのキスも」

そう言いながら、大雅はとろけるようなキスを何度も雪乃に落とす。

雪乃はうとうととまどろんでいく。

瞼が落ちそうになるたびに、大雅はそっと頬に手を添え、眠らせないように優しくキスをする。

そのたびに雪乃の意識はふわりと戻される。

「まだ寝ないで、雪乃」
低い声でそう囁かれると、雪乃は少し拗ねたように笑う。

「いままではいつも、早く寝なさいって言ってたのに」

「雪乃は子供じゃないからね」
大雅が意地悪そうに言う。

「入院中は子供扱いしてたくせに」
雪乃がくすっと笑いながら返す。

「子供みたいに泣いて、先生…手握っててって言ってたじゃん」

「意地悪」
そう言いながらも、雪乃はまた甘えて大雅に抱きついた。

「ねえ、大雅……夜勤明けでさっきまで寝てたのに、もう眠れるの?」
眠そうに尋ねる雪乃に、大雅は意味深な笑みを浮かべて答える。

「寝る必要なくない?」

そんな言葉を聞きながら、雪乃の心はまた少しだけ跳ねた。
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