【番外編】過保護な医者に、今度は未来まで守られてます
雪乃が毛布の中で身じろぎすると、すぐに大雅の腕が彼女の身体を優しく包み込み、しっかりと抱き寄せた。
今までよりも、ずっと強く――けれど決して乱暴ではない、確かな力で。


「……あれ、ちょっと、強いかも……」

小さく笑って抗議する雪乃に、大雅が顔を埋めるようにしながら囁いた。

「ごめん。でも……もう大丈夫なんでしょ? 傷も、痛みも……ないんだよね?」

その低く掠れた声に、雪乃はこくんと頷く。

「うん。……滝川先生も、もう何しても平気だって……」

「……じゃあさ。もう我慢しなくていいよな、俺も」

次の瞬間、唇が触れる。
深く、長く、息もできないほどのキス――
その強さに、雪乃の胸が高鳴った。
初めての夜は、おそるおそる確かめ合うような優しい愛し方だった。
だが今夜は違う。

この人は今、私を――「奪いたい」って顔をしている。

「……もう、逃がさないから」

囁くようにそう言った彼は、雪乃の首筋に唇を落としながら、肌に指を這わせていく。
どこまでもやさしく、それでいて執着の色を纏った仕草。

「……大雅……」

彼女の名前を呼ぶ声が震える。
触れられるたび、心まで溶かされるような熱が走って、もう思考がまとまらない。

「もうちょっと苦しいくらいのぎゅーも、していいだろ?」

そう言って抱き寄せられた時、雪乃は小さく声を漏らした。
けれど嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。やっと、ここまで来られた。

「……うん。して……いっぱい、して」

「よかった……だって俺……前は怖かったんだ。雪乃が壊れそうで……だけど、今は」

キス、キス、またキス。
何度も重ねて、まるで「もう二度と離さない」と言うように。

「俺の全部で、雪乃を……独り占めにしたい」

雪乃は目を潤ませながら、笑った。

「じゃあ……してみて? 全部、大雅のものに……なってあげる」

重なった身体が熱を帯びていく。
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