ステラクリマの匣庭ー貴方が読むまで、終わらない物語ー


夜が明けるはずだった。
すべてを取り戻せば、空は開くと彼女も僕も信じていた。

だけど夜明けは、彼らの世界に存在しない。

「君がいなくなるくらいなら、朝なんて要らない」と、
誰もが同じ笑みで、同じ闇を抱えていた。

そして彼女は気づく。
この匣庭では、夜明けそのものが――罪なのだと。



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