サルビアの育てかた
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当てもなく夜道を走り続ける車は、目的地に辿り着けないまま彷徨い続ける。
──レイ。一体どこへ行ってしまったんだ。
就寝前、母から連絡を受けた。レイが家に帰っていないことを知った俺は、車であちこち走り回っていた。既に二時間以上も彼女を捜し続けている。
母はレイの友人や知人に連絡を取り、父も近所を捜しているが何の手がかりも入らない状況だった。
ジャスティン先生やメイリー、そしてダンス仲間たちにも連絡をしてみたが、誰も何も知らないと言う。
「くそ、ライクのやつ」
苛つく。
明日も朝早いのだろうか、既に就寝しているのか知らないが、ライクは電話に出ないしメッセージを送っても返事すらよこさない。いざというとき全く役に立たない奴だ。
ダンススクールにも、近くの公園にも、レイと一緒に訪れたことがある店にも足を運んでみた。だけど、どこにも彼女の姿はないんだ。
何度もテキストメッセージを送り、電話をかけてみてもレイは反応してくれない。
もうすぐ日付が変わる。
俺の心は焦りと不安に支配されていた。この時点で吐き気がしてしまう。
──レイの身にもしものことがあったら。事故に遭っていたら。誰かに誘拐されていたら。何かの事件に巻き込まれていたら。もしも、もしも……。
不安が頭の中を過るたびに、身体の震えが止まらなくなる。
レイに何かあったら必ず駆けつけると約束をしたのに、今の俺は全くの無力だ。もうどこを捜していいのか分からない。