サルビアの育てかた
「ねえ、ヒルス」
「うん?」
「そんなに私のことが好きなの?」

 ちょっとふざけたようにそう尋ねてみた。これが照れ隠しだってことが、彼に知られないように。
 不意の質問にヒルスの顔はなぜかみるみる赤くなっていくの。

「な、なんだよ急に。意味分かんねえ」
「もしかして恥ずかしいの?」
「お前なあ……」

 からかいながらこんな風に言っているけれど、本当は私も恥ずかしかったんだよ。平静を装うのに必死だった。でも気持ちは熱くなる一方なの。
 狼狽えるヒルスの様子を見て、私はつい声を出して笑ってしまう。

 それは、さっきまでの暗い空気がパッと明るくなった瞬間だった。
 怖い気持ちなんて、吹き飛んでいきそうだ。全部を諦めていたときに、ヒルスが助けてくれたから。
 胸の鼓動が高まっていく。彼のところまでドキドキが伝わってしまいそうなほどに。
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