サルビアの育てかた
道中、小さな公園を通りすぎた。石で造られたハチミツ色の塀の上に猫が二匹。寒い中、お互いのぬくもりを分かち合うように寄り添っている。
お父さんとお母さんに、どう話をしたらいいのかな……ぼんやりとそんなことを考えた。ヒルスがそばにいる安心感と、家に帰るまでの緊張が重なってなんとも言えない感じがする。
あの猫たちのように、家族とまた寄り添いたいな……。
ハニーストーンでできた家々が立ち並ぶ住宅街。田園風景を照らす陽の光が、今日は一層幻想的に見える。私たちが生まれ育った町の、いつもと変わらない風景。
まるで今夜のことなんて何もなかったんだと、勘違いしてしまいそうになる。
「おいで」
「……うん」
ヒルスに促され、私は車から降りる。
帰る場所に着いた。けれども、家のガーデンの前で私は思わず立ち止まってしまう。母の育てた色とりどりの花たちが、私たちの帰りを待っていたかのように元気に咲き誇っていたからだ。
ガーデンの先にある家の扉を開ければ、父と母がそこにいるのには違いない。二人に迷惑かけて心配させたことを改めて思い出すと、どうしても家の中に入るのを躊躇してしまう。
「不安な顔するな。自分の家だろ?」
ヒルスは、当たり前のようにそう言うの。
──私の家。
ここは私が「ただいま」と言える場所。帰ってきたときに、いつも「おかえり」と返してくれる父と母がいる大切な家。
お父さんとお母さんに、どう話をしたらいいのかな……ぼんやりとそんなことを考えた。ヒルスがそばにいる安心感と、家に帰るまでの緊張が重なってなんとも言えない感じがする。
あの猫たちのように、家族とまた寄り添いたいな……。
ハニーストーンでできた家々が立ち並ぶ住宅街。田園風景を照らす陽の光が、今日は一層幻想的に見える。私たちが生まれ育った町の、いつもと変わらない風景。
まるで今夜のことなんて何もなかったんだと、勘違いしてしまいそうになる。
「おいで」
「……うん」
ヒルスに促され、私は車から降りる。
帰る場所に着いた。けれども、家のガーデンの前で私は思わず立ち止まってしまう。母の育てた色とりどりの花たちが、私たちの帰りを待っていたかのように元気に咲き誇っていたからだ。
ガーデンの先にある家の扉を開ければ、父と母がそこにいるのには違いない。二人に迷惑かけて心配させたことを改めて思い出すと、どうしても家の中に入るのを躊躇してしまう。
「不安な顔するな。自分の家だろ?」
ヒルスは、当たり前のようにそう言うの。
──私の家。
ここは私が「ただいま」と言える場所。帰ってきたときに、いつも「おかえり」と返してくれる父と母がいる大切な家。