サルビアの育てかた
◆
ある日の夕方。
いつも通り父にダンススクールへ送ってもらい、着替えを済ませてから俺は特待クラスの一角でストレッチを始めた。ダンサーにしては身体が固い方だから、柔軟体操もいつも念入りにしている。
「やぁ、ヒルス。今日も早いね」
練習場のドアが開くとほぼ同時に、声をかけられた。
このダンススクールのボスである、ジャスティン・スミス先生だ。スクールに通い始めてから今までずっとお世話になっているインストラクターで、俺が唯一リスペクトしているダンサーでもある。
ブラウンヘアをばっちりオールバックに決めていて、長い睫毛が今日も際立っている。鏡越しで目が合うと、ウィンクしながら先生はこちらへ近づいてきた。
「毎日一番乗りで準備をしていて、本当に君の熱意には感心するよ」
「いえいえ。早く来ないと落ち着かないんです」
俺の言葉を聞くと、先生は上機嫌に笑う。
「そこも君のいいところだね! 今度新しく入る君の妹も、熱心にダンスを習ってくれたら嬉しいな。楽しみだよ!」
「ああ、そうですね……」
俺は思わず心の中で苦笑した。
早速来週から、レイがスクールに通い始めるんだ。最初は初級クラスだから、特待生の俺たちとはあまり関係ない。
だが、先生は楽しみにしているのか──それを聞くと、なんだか複雑になってしまう。
ある日の夕方。
いつも通り父にダンススクールへ送ってもらい、着替えを済ませてから俺は特待クラスの一角でストレッチを始めた。ダンサーにしては身体が固い方だから、柔軟体操もいつも念入りにしている。
「やぁ、ヒルス。今日も早いね」
練習場のドアが開くとほぼ同時に、声をかけられた。
このダンススクールのボスである、ジャスティン・スミス先生だ。スクールに通い始めてから今までずっとお世話になっているインストラクターで、俺が唯一リスペクトしているダンサーでもある。
ブラウンヘアをばっちりオールバックに決めていて、長い睫毛が今日も際立っている。鏡越しで目が合うと、ウィンクしながら先生はこちらへ近づいてきた。
「毎日一番乗りで準備をしていて、本当に君の熱意には感心するよ」
「いえいえ。早く来ないと落ち着かないんです」
俺の言葉を聞くと、先生は上機嫌に笑う。
「そこも君のいいところだね! 今度新しく入る君の妹も、熱心にダンスを習ってくれたら嬉しいな。楽しみだよ!」
「ああ、そうですね……」
俺は思わず心の中で苦笑した。
早速来週から、レイがスクールに通い始めるんだ。最初は初級クラスだから、特待生の俺たちとはあまり関係ない。
だが、先生は楽しみにしているのか──それを聞くと、なんだか複雑になってしまう。