サルビアの育てかた
 そう思いながら、セナはその日も検診に来ていた。

 曇り空が広がり、今にも雨が降りそうだった。けれど気持ちは晴れやかだ。エコーでお腹の子の成長を見るのが毎回楽しみだったからだ。

(そういえば、今日はまだ胎動を感じていない気がする。寝ているのかしら? 検診のときは、可愛いお顔を見せてほしいわ)

 自然と顔が綻ぶ。

 自ら車を運転し、産院へ向かった。もうすぐ臨月に入る。運転席に座るのも大変だ。
 次回からはアイルかジェイクにお願いして、運転してもらった方がよいだろう。

 あっという間に産院へ到着した。車を停め、重いお腹を抱えながら建物へ入る。受付を済ませてから、名前が呼ばれるまでソファに座って待つ。
 いつもと同じルーティーン。先生に、あのことを聞かされるまでは……。
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