サルビアの育てかた
「お父さんとジェイク叔父さんとヒルスがいたから、お母さんは立ち直れたんだよね。……本当に素敵だね」
楽しいときも辛いときもどんなときも、グリマルディ家はあたたかい関係を築ける素晴らしいファミリーだ。血が繋がらない私でさえもよく理解できる。
母は目を細めて私を見つめると、おもむろに抱き締めてくれた。
「でもね、ちゃんと前を向けた一番の理由は……あなたなのよ」
「えっ?」
──私の、おかげ? どういうことだろう。
「レイがいてくれるから、またちゃんと笑えるようになったの。ありがとうね……」
母の鼓動が微かに聞こえてきた。ゆっくり規則正しく奏でる心臓音が、とても心地がよい。
なんだかよく分からないけれど、目尻が熱くなる。
私だって、お母さんたちの娘になれて幸せなんだよ……。そう伝えたかったけれど、今はまだそれを言うべきじゃない。代わりの言葉を、私は自然と口にしていた。
「お母さん、大好き」
そっと母は私の髪の毛を撫でてくれた。ちょっと幼い頃に戻った感覚になる。
しばらくしてから、母はそっと腕から放すと、再び言葉を繋げた。
「ごめんなさいね、レイには今まで何も伝えていなくて」
「ううん。いいよ」
「この『サルビア』の花は、天国にいるあの子のために愛情を込めて育てているのよ。お墓参りに行くときたくさん捧げているの」
「そっか。大事なお花なんだね」
母の『サルビア』たちは、綺麗な花びらを咲かせながらいつだってガーデンを彩っている。
切なくて悲しくて、そして複雑な感情が胸の中から溢れ出そうになる。どれだけ特別な想いを抱えて母が『サルビア』を育てていたのかを考えると、一層花たちが輝かしい存在に思えた。
「お花に水をあげてから朝食を用意するから、もう少し待っていて」
「ううん、今日は私が朝ごはん作るよ」
「レイが? いいの?」
「いいよ。お母さんはゆっくりサルビアにお水をあげててね。私、これからはちゃんとお家のこともお手伝いする」
私の言葉に、母は再びキラキラした笑顔を向けてくれた。
楽しいときも辛いときもどんなときも、グリマルディ家はあたたかい関係を築ける素晴らしいファミリーだ。血が繋がらない私でさえもよく理解できる。
母は目を細めて私を見つめると、おもむろに抱き締めてくれた。
「でもね、ちゃんと前を向けた一番の理由は……あなたなのよ」
「えっ?」
──私の、おかげ? どういうことだろう。
「レイがいてくれるから、またちゃんと笑えるようになったの。ありがとうね……」
母の鼓動が微かに聞こえてきた。ゆっくり規則正しく奏でる心臓音が、とても心地がよい。
なんだかよく分からないけれど、目尻が熱くなる。
私だって、お母さんたちの娘になれて幸せなんだよ……。そう伝えたかったけれど、今はまだそれを言うべきじゃない。代わりの言葉を、私は自然と口にしていた。
「お母さん、大好き」
そっと母は私の髪の毛を撫でてくれた。ちょっと幼い頃に戻った感覚になる。
しばらくしてから、母はそっと腕から放すと、再び言葉を繋げた。
「ごめんなさいね、レイには今まで何も伝えていなくて」
「ううん。いいよ」
「この『サルビア』の花は、天国にいるあの子のために愛情を込めて育てているのよ。お墓参りに行くときたくさん捧げているの」
「そっか。大事なお花なんだね」
母の『サルビア』たちは、綺麗な花びらを咲かせながらいつだってガーデンを彩っている。
切なくて悲しくて、そして複雑な感情が胸の中から溢れ出そうになる。どれだけ特別な想いを抱えて母が『サルビア』を育てていたのかを考えると、一層花たちが輝かしい存在に思えた。
「お花に水をあげてから朝食を用意するから、もう少し待っていて」
「ううん、今日は私が朝ごはん作るよ」
「レイが? いいの?」
「いいよ。お母さんはゆっくりサルビアにお水をあげててね。私、これからはちゃんとお家のこともお手伝いする」
私の言葉に、母は再びキラキラした笑顔を向けてくれた。