サルビアの育てかた
 どれほどの時間が経ったのだろう。私の泣き声が枯れてきた頃、やっと地獄の時間が終わったと思ったの。悪魔が私を痛めつけるのをピタリとやめてくれたから。眠気で目の前がぼんやりしたとき、突如私は胸の上あたりに耐えられないほどの激痛を感じた。

 ──熱い。

 違う、これは痛みなんかじゃない!

 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い。

 意識が遠のいていく中、悪魔が器のような物を持って私の身体の上に水を垂らしているのが見えた。
 どうしてこのお水は皮膚がえぐられそうになるほど熱いの?

 苦しい 怖い 痛い 悲しい 逃げたい

 熱さで身体の一部の感覚がなくなってきた。ゆっくりと瞼が閉ざされていく。周りの音までも遠のく中、悪魔が狂ったような目をして何かを叫んだ。

『お前なんかいらない さっさとシネ!』

 いつも同じ。悪魔は私に向かってシネと言う。
 あなたにとって私は邪魔な存在。安心して。私もあなたなんかいらないから……。
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