サルビアの育てかた
※
ジャスティン先生とレイが話している間、俺はフレアとスタジオの外で暇を持て余していた。
今日は生憎の空で、今にも雨が降ってきそうな雰囲気だ。
「レイって本当に良い子ね」
「ああ、そうだろ?」
俺が当然のように頷くと、フレアはフッと笑う。しかしいつもとは違い、どこか寂しい笑みに見えるのは気のせいか。
「あんなに可愛い子ならヒルスが夢中になるのも無理ないわね」
「夢中になるって? どういう意味だよ」
フレアは何を勘違いしているのか。世間からみればあくまで俺とレイは兄妹だ。
思わず俺は首を傾げる。
「ヒルスはいつも彼女を一番に考えているもの。その理由があの子に会ってみてなんとなく分かったわ」
そこまで言うとフレアは口ごもってしまう。いつもハキハキ話すフレアが珍しい、何か思い込むように無表情になってしまった。
「フレア、どうした?」
「あの日……。ヒルスは、彼女が見つからないときに電話の向こうで泣いていたわね」
「いや」
「否定したってバレてるから」
「……」
顔から火が出そうになるほど恥ずかしかった。今更ぶり返さないでほしい。俺はオーバーに首を横に振る。
「あのときは極限状態だったんだよ」
「でしょうね。ヒルスが弱音を吐くなんて初めてだから、ちょっとびっくりしちゃった。あなたにそこまで想われているレイが羨ましいわ」
「何が羨ましいんだよ?」
俺が頭に疑問符を浮かべていると、フレアは途端に目を逸らす。なんだか様子がおかしい。
「もしも……もしもの話よ。わたしがあの子みたいに突然行方不明になったら、ヒルスはどうするのかな」
「は?」
「この前みたいに必死になって捜し回ってくれるのかな」
フレアの質問に、俺は戸惑いを隠せない。いまいち何を聞かれているのか理解ができなかった。
両腕を組み、よく考えてから答える。
「そりゃ、いきなりいなくなったら心配するだろ」
「見つかるまで捜してくれるの?」
「フレアはスタジオで一緒に働く仲間だからな」
知り合いや友人がいなくなったら誰だって心配するに決まっている。
ジャスティン先生とレイが話している間、俺はフレアとスタジオの外で暇を持て余していた。
今日は生憎の空で、今にも雨が降ってきそうな雰囲気だ。
「レイって本当に良い子ね」
「ああ、そうだろ?」
俺が当然のように頷くと、フレアはフッと笑う。しかしいつもとは違い、どこか寂しい笑みに見えるのは気のせいか。
「あんなに可愛い子ならヒルスが夢中になるのも無理ないわね」
「夢中になるって? どういう意味だよ」
フレアは何を勘違いしているのか。世間からみればあくまで俺とレイは兄妹だ。
思わず俺は首を傾げる。
「ヒルスはいつも彼女を一番に考えているもの。その理由があの子に会ってみてなんとなく分かったわ」
そこまで言うとフレアは口ごもってしまう。いつもハキハキ話すフレアが珍しい、何か思い込むように無表情になってしまった。
「フレア、どうした?」
「あの日……。ヒルスは、彼女が見つからないときに電話の向こうで泣いていたわね」
「いや」
「否定したってバレてるから」
「……」
顔から火が出そうになるほど恥ずかしかった。今更ぶり返さないでほしい。俺はオーバーに首を横に振る。
「あのときは極限状態だったんだよ」
「でしょうね。ヒルスが弱音を吐くなんて初めてだから、ちょっとびっくりしちゃった。あなたにそこまで想われているレイが羨ましいわ」
「何が羨ましいんだよ?」
俺が頭に疑問符を浮かべていると、フレアは途端に目を逸らす。なんだか様子がおかしい。
「もしも……もしもの話よ。わたしがあの子みたいに突然行方不明になったら、ヒルスはどうするのかな」
「は?」
「この前みたいに必死になって捜し回ってくれるのかな」
フレアの質問に、俺は戸惑いを隠せない。いまいち何を聞かれているのか理解ができなかった。
両腕を組み、よく考えてから答える。
「そりゃ、いきなりいなくなったら心配するだろ」
「見つかるまで捜してくれるの?」
「フレアはスタジオで一緒に働く仲間だからな」
知り合いや友人がいなくなったら誰だって心配するに決まっている。