サルビアの育てかた
ヒルスはテーブルに両手をついて椅子から立ち上がると、私の瞳をしっかりと見つめて真剣な顔で話を続けた。
「戻らない理由がないだろう」
「でも私は、スクールには行けないよ」
「それじゃあレイは、もう二度と踊らないのか?」
「……ダンスは今でもしたいよ」
「だったら前みたいに踊ればいいだろう」
押し問答をしても、私の考えは絶対に変わらない。
いつの間にか暗い雰囲気になってしまっていた。
違う。私はヒルスと言い合いをしたいわけじゃない。
だけど、メイリーにされたこと──いつも冷たい態度を取られたり、無視されたり、嫌なことを言われたのが今でも忘れられない。それに、家族の事情も全て聞かされてしまった。この件に関しては、絶対に説明できないから……。
俯いて黙り込んでしまった私に、彼は目線を下げて深く息を吐いた。椅子に座り直すと、さっきよりも落ち着いた声になる。
「……すまん。ムキになりすぎたな」
「ううん。ヒルスも私がスクールに復帰するのを楽しみにしてくれていたもんね。期待に応えてあげられなくて、ごめんね」
彼の前ではなるべく明るくしていたいから、無理に笑顔を作ってみたのに眉尻が下がってしまう。どうしても本当のことを口にはできない。
ヒルスも、それ以上問い詰めることはしてこなかった。
きっと、まだ納得していないよね。私も同じだよ。何も問題がなければ、今でもダンスを習いたいって毎日のように思っているから。
「戻らない理由がないだろう」
「でも私は、スクールには行けないよ」
「それじゃあレイは、もう二度と踊らないのか?」
「……ダンスは今でもしたいよ」
「だったら前みたいに踊ればいいだろう」
押し問答をしても、私の考えは絶対に変わらない。
いつの間にか暗い雰囲気になってしまっていた。
違う。私はヒルスと言い合いをしたいわけじゃない。
だけど、メイリーにされたこと──いつも冷たい態度を取られたり、無視されたり、嫌なことを言われたのが今でも忘れられない。それに、家族の事情も全て聞かされてしまった。この件に関しては、絶対に説明できないから……。
俯いて黙り込んでしまった私に、彼は目線を下げて深く息を吐いた。椅子に座り直すと、さっきよりも落ち着いた声になる。
「……すまん。ムキになりすぎたな」
「ううん。ヒルスも私がスクールに復帰するのを楽しみにしてくれていたもんね。期待に応えてあげられなくて、ごめんね」
彼の前ではなるべく明るくしていたいから、無理に笑顔を作ってみたのに眉尻が下がってしまう。どうしても本当のことを口にはできない。
ヒルスも、それ以上問い詰めることはしてこなかった。
きっと、まだ納得していないよね。私も同じだよ。何も問題がなければ、今でもダンスを習いたいって毎日のように思っているから。