サルビアの育てかた
 休憩室を出る前に、俺は最後にひとつだけ先生に問う。

「ジャスティン先生は、よほどレイの実力を認めて下さっているんですね?」
「そうだね。君も分かっているだろう? 彼女のダンスには光るものがある。それに……」

 先生は一度間を置いてから、微笑むんだ。

「レイは、プロでも通用するほどの可能性を持っている。ブランクがあったとしても、今からでも復帰すればじゅうぶん間に合うと思うんだ。もしも彼女が戻ってきた暁には、全力でサポートしたいと考えている」

 先生の眼差しは真剣そのものだった。
 ジャスティン先生は長年ダンスを続けてきた人だ。数々の大会で結果を残し、優秀な弟子や生徒がたくさんいる。ダンサーとしてもインストラクターとしても、そして前向きに生きる先生は、人としても心から尊敬できるんだ。
 そんなジャスティン先生から認められているレイは、俺にとっても誇りだった。

 必ず彼女をスクールに復帰させてみせる。
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