サルビアの育てかた


 途中までお父さんに車で送ってもらい、私は荷物をたくさん抱えてヒルスの自宅を目指した。
 私たちが住む所よりも、ほんのちょっとだけ都会染みた町並み。人通りが多く、みんな繁華街の方へと向かっている。私はその流れに逆らって歩いた。

 数分もしないうちに、レンガ造りのフラットが見える距離まで行き着く。ダンススタジオのインストラクターや、ジャスティン先生のお弟子さんたちがシェアしながら暮らしている場所。たまに住んでいる人たちに会ったことがある。フレンドリーでいい人たちばかりで、私でさえも落ち着く空間。

 軽快な足取りでフラットの入口から中へ入り、ヒルスの部屋がある二階へと向かう。廊下にはアンティークな棚がいくつか並べられており、その上に小さなランプが置かれてる。ほんのり灯る光に、いつも目が癒される。
 共用キッチンを通りすぎた奥の方に、ヒルスの部屋はある。
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