サルビアの育てかた



 翌朝。
 目を覚ますと、だいぶ怠さがなくなっていた。身体が軽くてすっきりしている。唸るようなあの全身の熱さもない。
 こんなにも早く体調が良くなったのは、全部レイのお陰だ。

 昨日、要領よく身の回りの世話をしてくれた彼女の姿を思い出した。
 本当にレイは気配りができる子だな……。俺が何も言わなくても着替えや飲み物を用意してくれた。手作りのリゾットも、ちょうどいい濃厚さで本当に旨かった。
 彼女はきっといい奥さんになるんだろう。将来、結婚する奴が羨ましい……。
 いつかレイが大人になって好きな相手でもできたら、きっと今みたいに俺と頻繁に会ってくれることはなくなるんだろう。
 ふと、そんなことを考えてしまった。

(待てよ、羨ましいってなんだ?)

 俺は義理でも彼女の兄だ。朝から訳の分からない妄想をする自分に苦笑する。
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