サルビアの育てかた
──スタジオ近くのカフェを訪れ、俺は紅茶を、フレアはブレンドコーヒーを注文した。
席に着いてから、フレアは静かにコーヒーを一口飲む。ミルクたっぷりの紅茶を喉に流し込む俺のことを眺めながらフレアは口を開いた。
「ここのお店、コーヒーを売りにしてるみたいよ。紅茶はいつでも飲めるのに勿体ないわね?」
「ああ、俺コーヒー飲めないから」
「えっ」
「苦いものより甘い方が好きなんだよ」
真顔で俺が答えるとフレアはカップをテーブルにそっと置き、肩を震わせながら笑い始めるんだ。
「ヒルス……」
「なんだ?」
「あなたって、やっぱり、面白い人だわ」
フレアはいつもの笑顔を、今日初めて向けてくれた。
何がツボに入ったのか知らないが、俺は途端に肩の力が抜ける。
「その顔でそれはないわ。ギャップなんて見せなくていいの」
「はあ? 顔は関係ないだろ……」
「さすが、わたしが惚れた男なだけあるわ」
はっきりとしたその言葉に、俺はまた返事ができなくなってしまう。それでもフレアは柔らかい表情で続けるんだ。
「そう言われても困るって顔してるわよ」
「いや、してないよ……」
「大丈夫、分かってるから。ごめんなさいね、わたしが好きであなたの部屋に行っただけなのに。グイグイし過ぎたわ。ヒルスには、レイがいるのにね」
「……どうしていつもそこでレイが出てくるんだよ」
冷やかされているのだと思った。だがフレアは、至って真剣な眼差しなんだ。
席に着いてから、フレアは静かにコーヒーを一口飲む。ミルクたっぷりの紅茶を喉に流し込む俺のことを眺めながらフレアは口を開いた。
「ここのお店、コーヒーを売りにしてるみたいよ。紅茶はいつでも飲めるのに勿体ないわね?」
「ああ、俺コーヒー飲めないから」
「えっ」
「苦いものより甘い方が好きなんだよ」
真顔で俺が答えるとフレアはカップをテーブルにそっと置き、肩を震わせながら笑い始めるんだ。
「ヒルス……」
「なんだ?」
「あなたって、やっぱり、面白い人だわ」
フレアはいつもの笑顔を、今日初めて向けてくれた。
何がツボに入ったのか知らないが、俺は途端に肩の力が抜ける。
「その顔でそれはないわ。ギャップなんて見せなくていいの」
「はあ? 顔は関係ないだろ……」
「さすが、わたしが惚れた男なだけあるわ」
はっきりとしたその言葉に、俺はまた返事ができなくなってしまう。それでもフレアは柔らかい表情で続けるんだ。
「そう言われても困るって顔してるわよ」
「いや、してないよ……」
「大丈夫、分かってるから。ごめんなさいね、わたしが好きであなたの部屋に行っただけなのに。グイグイし過ぎたわ。ヒルスには、レイがいるのにね」
「……どうしていつもそこでレイが出てくるんだよ」
冷やかされているのだと思った。だがフレアは、至って真剣な眼差しなんだ。