サルビアの育てかた
※
次の休日。ヒルスはいつものように家に泊まりにきた。
私は仕事で忙しい母の代わりに、朝から掃除や洗濯などの家事をこなしていく。ガーデンに咲く『サルビア』に水やりをするのも大事な仕事。
私が花たちのお世話をする横で、ヒルスも一緒に水やりを手伝ってくれた。
始めはお互い花の世話に夢中だったから無言でいたけれど、以前母から聞いた話を思い出し、私は口を開いた。
「ねえ、ヒルス知ってる? 『サルビア』はね、本当はこの寒い時期には咲かない花なんだよ」
「そうなのか?」
「うん。それなのに、お母さんが育てる『サルビア』は季節に関係なくいつも咲いてる。不思議だよね。だから私、お母さんに訊いてみたんだよ。どうしてこの家の『サルビア』たちは年中咲き続けているのか。そしたらお母さんってば、愛情込めて育てているからよ、なんて言うの。全然答えになってないよね」
「いや、母さんらしいな。『サルビア』の花言葉は【家族愛】だから間違っていないのかもな」
「へぇ、そうなんだ? 花言葉なんて、よく知ってるね」
「前に母さんから教えてもらったんだ」
「……だから、お母さんは『サルビア』を大切にしているんだね」
「えっ?」
「このお花、天国で暮らすもう一人の家族のために育てているんでしょう?」
「……レイ」
「この前、お母さんとお父さんに聞いたよ。私が生まれるずっと前に、お母さんたちにはもう一人子供がいたってこと。──ヒルスの、妹だよね」
「そうだな。俺がまだ二歳前のことだったから、覚えてはいないけど」
次の休日。ヒルスはいつものように家に泊まりにきた。
私は仕事で忙しい母の代わりに、朝から掃除や洗濯などの家事をこなしていく。ガーデンに咲く『サルビア』に水やりをするのも大事な仕事。
私が花たちのお世話をする横で、ヒルスも一緒に水やりを手伝ってくれた。
始めはお互い花の世話に夢中だったから無言でいたけれど、以前母から聞いた話を思い出し、私は口を開いた。
「ねえ、ヒルス知ってる? 『サルビア』はね、本当はこの寒い時期には咲かない花なんだよ」
「そうなのか?」
「うん。それなのに、お母さんが育てる『サルビア』は季節に関係なくいつも咲いてる。不思議だよね。だから私、お母さんに訊いてみたんだよ。どうしてこの家の『サルビア』たちは年中咲き続けているのか。そしたらお母さんってば、愛情込めて育てているからよ、なんて言うの。全然答えになってないよね」
「いや、母さんらしいな。『サルビア』の花言葉は【家族愛】だから間違っていないのかもな」
「へぇ、そうなんだ? 花言葉なんて、よく知ってるね」
「前に母さんから教えてもらったんだ」
「……だから、お母さんは『サルビア』を大切にしているんだね」
「えっ?」
「このお花、天国で暮らすもう一人の家族のために育てているんでしょう?」
「……レイ」
「この前、お母さんとお父さんに聞いたよ。私が生まれるずっと前に、お母さんたちにはもう一人子供がいたってこと。──ヒルスの、妹だよね」
「そうだな。俺がまだ二歳前のことだったから、覚えてはいないけど」