サルビアの育てかた
 もう一度鏡に顔を向け、自分と見つめ合う。

「はあ……」

 大きなため息。
 義理でも、ヒルスの妹じゃなかったらよかったのに……。

 背中まで伸ばしたストレートの黒い髪。小麦色の肌。大きな目に二重の瞼。どう見たって、家族の誰かに似ているとは言い難い容姿。
 私もヒルスたちみたいに綺麗なブロンドヘアだったらな。白い肌にも憧れる。
 どうして私は、こんなに見た目が幼いんだろう。あと五年もすれば、魅力的な大人の女性になれる? お母さんみたいに綺麗になれる? お父さんやヒルスのように、背が高くなるの?
 あれこれ考えたって、私はグリマルディ家の血を受け継いでいない。どんなに願っても、家族の誰にも似ることなんてできない。
 だからと言って私は自分を生んだ親がどんな人だったんだろう、とか、本当の血筋はどこの国なんだろう、とか考えたりしない。興味もないし知ったところで私の人生が変わるわけでもないから。
 
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