サルビアの育てかた
 今朝私が買い物に誘ったときも、全然支度をしないでテレビを見ていたし。もうすぐ定年で、お仕事が大変なのかな?

「お父さん、疲れてるんだよ。あんまり無理しないでね? すぐにご飯用意するから」

 新しいワインのボトルを持って父をダイニングへ連れていき、椅子に腰かけてもらった。
 父はよくヒルスとの晩酌を楽しんでいる。母には悪いけど、少しでもリフレッシュしてほしかった。

「よし、ヒルス。飲むぞ」
「まあ、少しだけな……」

 ヒルスもお酒があまり強くないけど、何だかんだでいつも楽しそうに父と乾杯してる。

「もう。あと一杯だけよ」
「分かっているさ」

 ──その後、父は嬉しそうにヒルスとお酒を楽しんでいた。
 家族団欒の大切な時間だから。気になることがあっても、私は可能な限り笑顔で過ごした。父を見ると時折、胸騒ぎがするようになってしまったけれど……。
 きっと、大丈夫。何でもないって、自分に言い聞かせた。
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