サルビアの育てかた


 フライパンに火をかけ、卵を焼いていく。
 キッチンにジュージューという音が響き、美味しそうな香りも漂ってきた。

 昨夜はあまり眠れなかった。レイのあの話を聞いてから、俺はずっと考え込んでる。
 まさか、父がそんなことになっているなんて。ほぼ毎週実家に泊まりに来ていたのに、何も気づいていなかった自分に腹が立つ。レイがあんなにも、悩んでいたんだぞ。
 十五歳のレイ彼女が一人で大きな問題を抱え、辛い思いをしていたのだと思うと、胸が張り裂けそうになる。だからこれからは彼女の負担を減らす為に俺がどうにかしたい。
 父も母もきっと辛いはずだ。やれることがあれば、家族のことを第一に優先したいと強く思う。
 だけど、何をどうしてあげればいいのだろう?
< 247 / 847 >

この作品をシェア

pagetop