サルビアの育てかた
 ガーデンに出ると、俺たちはすぐさま柔軟体操を始める。

「こうしてダンスが続けられるのもジャスティン先生のおかげだね」
「ああ。いつも配慮してくれる先生には頭が上がらないな」

 父の介護を手伝いながら、ダンスの時間を確保するのは正直かなり大変だった。インストラクターの仕事を長期間休もうと考えたことさえある。
 しかしジャスティン先生はそれには頷かなかった。むしろ、俺たちの大変さをまるで理解してくれているようなんだ。
 介護士が家に来ない日は俺の仕事を休みにしてもらい、スタジオでの仕事も暫くの間は半日のみとなった。
 だが、いくら介護が大変だからといって練習を疎かにしたくはない。休憩する暇があるなら、極力踊るようにしている。
 ジャスティン先生の理解もあり、俺とレイは何とかここまでやって来られた。次のイベントに参加したら、表舞台に立つことは減ってしまうだろう。だからレイとペアで参加できるこの機会は貴重で、俺はいつも以上に気合を入れている。
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