サルビアの育てかた
ガーデンに出ると、日頃のストレスを発散するように俺たちは時間を忘れて踊り狂った。
以前ロンドンオリンピックの閉会式でカポエラダンスが披露されたことがある。それを見たレイが、自分もあんな風に踊ってみたいと言い始めたのがきっかけで本格的に習得する運びとなった。インストラクターになる前、俺はジャスティン先生からカポエラダンスを教えてもらったことがあるし徹底的に技を彼女にレクチャーしていく。
全身の筋力を使う技ばかりなのでかなり辛いはずだが、レイは汗を流しながらも真面目に踊り続ける。
「アウーの動きはだいぶ上手くなってきたな。最後まで俺の顔を見て、膝はもう少し伸ばせるか」
休みなくレイにきつい動きをさせる俺は、一切妥協などしない。どんなに難易度の高い技でも必死になって練習する彼女を見ると、俺の指導はついつい熱くなってしまう。
ダンス中は互いの目を見つめ合い、たまに優しく触れ、熱を感じる。真剣なレイの眼差しが俺の心を刺激した。今の彼女には、子供のような表情など見当たらない。