サルビアの育てかた
「レイ」
「うん?」
「いつもありがとうな」
「えっ、何が?」
「この『サルビア』の花を、大切に育ててくれて嬉しいよ」

 手を止め、父の方を振り返った。
 父はふんわりとした眼差しを私に向けている。

「この花は特別なんだ。いつまでも父さんたちの想いが消えることはない」
「……うん。そう、だね」

 父は、彼女の──リミィの話をしている。私のことを時々リミィと間違えてしまうほど、大切な想いを胸にしまっているんだよね。
 私は父と母の娘として今も生きているけれど、どうしたって二人の悲しみの記憶を消すことなんてできない。それでも、こうしてグリマルディ家の一員として暮らしていけることに感謝してるの。
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