サルビアの育てかた
(さあ、次はレイの番だ)
この技は恐怖心をなくせば大丈夫。
ヒルスからの心の声援を受け、私も続いて魅せ技を披露しようとリズムに乗ってしゃがみ込む。
後ろに脚を伸ばし、着地しようとしたとき──観客席で楽しそうにこちらを眺めるフレア先生の顔が目に入った。
『わたし、ヒルスのことが好きだったの。……ううん、違う。本当は今でも好き』
たった一瞬だけ、意識が逸れてしまった。今思い出すべきことじゃないのに。
私の身体は脚を着地させる前にバランスを崩し、倒立している状態からおかしな方向へと倒れていく。
──危ない!
背中から床に打ちつけられると思った。だけどその寸前、大きな腕に力強く包まれる。ヒルスが、私の背中を支えて抱き上げていた。
束の間、会場中の歓声がピタッと止んだ。けれどすぐさま観客たちの悲鳴に近い狂喜の声が、私たち二人の周りに響き渡る。
私と彼は顔をうんと近づけて見つめ合い、今にも唇が重なってしまいそうなほどの距離になっていた。
この技は恐怖心をなくせば大丈夫。
ヒルスからの心の声援を受け、私も続いて魅せ技を披露しようとリズムに乗ってしゃがみ込む。
後ろに脚を伸ばし、着地しようとしたとき──観客席で楽しそうにこちらを眺めるフレア先生の顔が目に入った。
『わたし、ヒルスのことが好きだったの。……ううん、違う。本当は今でも好き』
たった一瞬だけ、意識が逸れてしまった。今思い出すべきことじゃないのに。
私の身体は脚を着地させる前にバランスを崩し、倒立している状態からおかしな方向へと倒れていく。
──危ない!
背中から床に打ちつけられると思った。だけどその寸前、大きな腕に力強く包まれる。ヒルスが、私の背中を支えて抱き上げていた。
束の間、会場中の歓声がピタッと止んだ。けれどすぐさま観客たちの悲鳴に近い狂喜の声が、私たち二人の周りに響き渡る。
私と彼は顔をうんと近づけて見つめ合い、今にも唇が重なってしまいそうなほどの距離になっていた。