サルビアの育てかた



 着替えを済ませ、更衣室を出ると俺はエントランスへ向かった。そこでは既にジャスティン先生が待っていた。レイとフレアはまだ来ていない。
 ジャスティン先生はこちらに気がつくと、たちまち満面の笑みを浮かべながら勢いよく俺の前に立つんだ。

「ヒルス! さっきのダンス、本当にエキサイティングだったね! 特に最後の君たちの絡み、驚いたよ。リハとは全く違う締めだったよね。いつの間にか振り付けが変わったのかい?」
「いや、あれはアドリブというか、ちょっとしたトラブルというか……」
「何はともあれ素晴らしい踊りを魅せてくれたのには間違いないよ。愛おしそうに見つめ合う二人の姿は兄妹ではなく、まるで……」

 先生は頬を赤らめながら、そこで言葉を詰まらせた。
 次にくる先生の言葉が容易に予想できて、俺は急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
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