サルビアの育てかた
 流れゆく外の景色を眺めながら、私はこれから先のことを考えた。大変な日々が明日から再び始まるのだという不安と、それでも協力し合える家族の一員としていられる現実に私は何とも言えない気持ちになる。
 車内がしんと静まり返った。ヒルスは無言でハンドルを握り、その横顔はなんとなく寂しそう。

 時刻を確認すると、既に夜の七時半を過ぎていた。父の介護士はとっくに帰った時間だ。
 きっと父と母も夕食を済ませただろう。ご飯を食べると母はいつも仮眠を取る。今日も疲れているだろうから、早くゆっくりしてもらいたい。

 ──でもこのとき、なんだかよく分からない胸騒ぎがした。
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