サルビアの育てかた
 嘘みたいに私の身体は冷たくなっていく。背筋が凍りつくような、おかしな感覚。息が上がって苦しくなってどうしようもない。

「……なんで繋がらないの? お父さん、お母さん……どうして電話に出てくれないの!」

 どれだけ嘆いても、届いてほしい人たちに私の声なんて届いたりしない。
 私を抱き寄せるヒルスの腕の力がどんどん弱まっていく。
 彼の胸の中で、大きく呼吸が乱れ始めた。

「レイ?」
「……ヒルス……。私……」

 苦しい。苦しくておかしくなりそう。顔が青白くなっているのが感覚で分かる。

「落ち着け、レイ!」

 立つことすらままならない。力が抜けて、携帯電話が私の手のひらから滑り落ちていった。

 ヒルスは必死になって身体を支えてくれる。
 苦しさは増す一方で、上手く息ができなくなってしまう。目の前があっという間にぼやけてしまう。
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