サルビアの育てかた
「ヒルス。姉さんとお義兄さんがこんなことになって、お前も大変だったな」
「……うん。ジェイク叔父さんもショックだろ」
「そうだな……。だが、いつまでも悲しんでいられないぞ」

 哀愁漂う顔でそう言う叔父に、俺は何とも言えない気持ちになる。

「姉さんたちの墓も用意しないといけないし、全焼した家の件もあるだろう」
「……ああ」
「悪いな、現実的な話をして」
「いや、いいよ」
「お前たち二人で全部こなすのは大変だろうから、オレがしばらく手伝ってやる」
「えっ?」

 俺はパッと顔を上げた。

「叔父さん、それはどういうことだ?」
「仕事はこっちでもできるよう調整したんだ。半年はこっちにいられるかな」
「半年も」
「多少テレワークは必要になるがな。アメリカに戻るまで、お前たちのそばで手伝えることがあれば何でもするさ」

 叔父の心強い言葉は、俺の胸の内を熱くし、そして安心感を与えてくれた。
 父と母が亡くなり、心は悲しみに支配された。だが、この先しなければならないたくさんのことに対して不安も抱いていた。
 頼れる親戚が一人でもいてくれると、俺のそんな心配も払拭されたんだ。
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