サルビアの育てかた


 翌日。
 朝起きて私はいつものようにご飯を用意する。トーストとビーンズ、ベーコンをプレートに盛り付けてテーブルに並べた。
 ヒルスはまだ寝ている。「朝御飯食べてね。スタジオに行ってきます」とメモを残し、私は一人でダンススタジオへ向かった。

 フラットからスタジオまでは歩いて十五分ほどの距離。いつになく足が重くて息が上がってしまう。体力が落ちてしまったみたい……。
 とぼとぼと歩き続けていると──突然、目の前にバサバサッと音を立てて白黒の影が現れた。驚き、思わず足を止める。
 目の前に一羽のカササギが飛び降りてきた。白いくちばしで、虫か何かをつまみ食いしてる。
 ──ビックリさせないで。
 カササギと目を合わせないよう、私は足早にその場から立ち去った。

 息が上がりつつも、やっとの思いでダンススタジオへ到着する。エントランスに入ると、既にフレア先生が準備をして待っていた。

「おはよう、レイ。来てくれたのね! 一部屋確保してあるの。早速着替えてきて!」

 フレア先生は満面の笑みで出迎えてくれた。朝から元気だなぁ。
 そんな彼女を見て、気持ちが一気に明るくなった。
 久々に訪れたダンススタジオ。薄暗いエントランスを抜け、更衣室で着替えをしながら内心ワクワクしていた。
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