サルビアの育てかた
冷凍庫を見てみるといつの間に用意していたのか、手作りのハンバーグステーキが一人分だけラップに包まれていたんだ。
心が空っぽになっていく。
俺はぼんやりしながら、レンジでハンバーグステーキを解凍した。
──残飯も大量にあるのに。俺のためにレイは、いつも新しいご飯を作ってくれる。だけど、これでは廃棄がたくさん出てもったいないよ。
俺が作ったスパゲッティはどんどん冷めていき、麺も固まってしまう。こんなにたくさん、独りで食べられるわけがない。
孤独の中で口にするスパゲッティは、とても不味くて全く飲み込めない。だけどレイが作ってくれたハンバーグステーキだけは涙が出るほど美味しくて、胸が痛くなった。
暗い部屋の中、食事をする今の俺の姿は傍から見ると不気味だろう。独りぼっちなのに、俺は目から溢れる冷たいものを誰にも見られたくない想いから、灯りを点けられずにいた。