サルビアの育てかた
「二人ともどうしたんだ?」
首を傾げながら叔父がこちらに歩み寄ってきた。
「その花がどうかしたのか」
ヒルスはゆっくりと叔父の方を振り向いた。耳まで赤く染まっている。
「……ジェイク叔父さん、ごめん。思い出が全部なくなったなんて嘘だった」
「なに?」
「この赤い花……『サルビア』の花は、母さんが大切に育てていたものなんだ。どういうわけか、一輪だけ燃えずに残っていたんだよ」
その言葉を聞き、私は彼の手をギュッと握り締めた。
「母さんが残してくれたものだって、レイは言ってる」
涙声だった。でも彼の表情はあたたかい。
叔父は優しい眼差しになってそっと彼の肩を叩いた。
「ああ、分かったよ。オレも悪かった。今のお前は余裕がないからな。ここをどうするかはまた今度考えればいい」
このとき、彼の冷たかった手はほんのりとあたたかくなったの。
──この『サルビア』が、なぜ燃えることなくここにあるのかは分からない。だけど母はたしかに生前、愛情を込めて花を大切に育てていた。だから季節に関係なく『サルビア』たちはいつも美しく咲き誇っていたし、あの大火事からも奇跡的に生き残ったのかもしれない。母の『サルビア』のにはいつも、魔法のような不思議な力が宿っている。
少しずつでいい。前を向いていこう。
首を傾げながら叔父がこちらに歩み寄ってきた。
「その花がどうかしたのか」
ヒルスはゆっくりと叔父の方を振り向いた。耳まで赤く染まっている。
「……ジェイク叔父さん、ごめん。思い出が全部なくなったなんて嘘だった」
「なに?」
「この赤い花……『サルビア』の花は、母さんが大切に育てていたものなんだ。どういうわけか、一輪だけ燃えずに残っていたんだよ」
その言葉を聞き、私は彼の手をギュッと握り締めた。
「母さんが残してくれたものだって、レイは言ってる」
涙声だった。でも彼の表情はあたたかい。
叔父は優しい眼差しになってそっと彼の肩を叩いた。
「ああ、分かったよ。オレも悪かった。今のお前は余裕がないからな。ここをどうするかはまた今度考えればいい」
このとき、彼の冷たかった手はほんのりとあたたかくなったの。
──この『サルビア』が、なぜ燃えることなくここにあるのかは分からない。だけど母はたしかに生前、愛情を込めて花を大切に育てていた。だから季節に関係なく『サルビア』たちはいつも美しく咲き誇っていたし、あの大火事からも奇跡的に生き残ったのかもしれない。母の『サルビア』のにはいつも、魔法のような不思議な力が宿っている。
少しずつでいい。前を向いていこう。